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コラム COLUMN

第一

「先生、ありがとう」の一言が嬉しくて

朝から慌ただしく始まる一日。

次々に並ぶ処方箋。

鳴り続ける電話。

患者さんからの相談。

気が付けば時計はお昼を過ぎている。

それでも不思議と嫌ではなかった。

薬剤師という仕事が好きだったから。

「先生、ありがとう」

その一言が嬉しくて、また頑張ろうと思えた。

誰かの役に立てることが、私の喜びだった。

頑張ることが当たり前だった

仕事が終われば家のこと。

家のことが終われば子どものこと。

自分の時間なんてほとんどなかった。

でも、それが普通だと思っていた。

疲れていることには気付いていた。

だけど、

「みんな頑張っている」

「私だけ休むわけにはいかない」

そうやって自分に言い聞かせていた。

今思えば、少し無理をしていたのかもしれない。

でも、その頃の私は立ち止まることを知らなかった。

人生は明日も続くと思っていた

来週も仕事。

来月も仕事。

来年も同じように仕事。

子どもたちは成長して。

私は歳を重ねて。

人生あと一はなも二はなも咲かせるんだ、第2の人生楽しまなきゃ!

そんな未来を疑ったことはなかった。

人生はずっと続く。

今日と同じ明日が来る。

そう信じていた。

けれど人生は突然向きを変える

あの日までは・・・

人生には予告編がない。

ドラマのような音楽も流れない。

ある日突然、

何の前触れもなく、

当たり前だった日常は終わりを告げる。

その時の私はまだ知らなかった。

49歳の初秋。

私の人生が大きく変わることを。

次回 49歳の初秋。右手も右足も動かない…私を襲った脳梗塞